2008年 04月 23日

新潟のギフ2(交尾・交尾拒否編)

2番目のポイントでギフを探していると、あちこちで♂が探雌飛翔をしている。
♂が♀に絡んで、嫌がった♀が地面に下りて♂の隙を見て逃げ出したが、♀を見失った♂はそのあたりをしつこく飛び回っていた。
あまりしつこく同じ場所を探し回るので飛翔写真でも撮影しようかと近づくと、その♂が突然枝に飛びついた。見ると交尾個体がいてそれに飛びついたのだった。
新潟のギフ2(交尾・交尾拒否編)_f0031682_1711567.jpg

先週に引き続いて3頭絡みのシーンを撮影できたが、このときの3頭は激しく翅をはばたいて、ペアは徐々に枝を上に上がっていってやがて絡んでいた♂はあきらめてぱっと飛び去った。
新潟のギフ2(交尾・交尾拒否編)_f0031682_17121865.jpg

その後このペアも小飛して地面に降りて移動し始めたが、♀が♂を引っ張ったまま無理やり枯れ草の間を移動するので、いつ外れるか、翅が痛まないかとはらはらする。
そのうちススキの茎に登って静止したが、背景にはスミレがあったりしてなかなかいい感じなのでここぞとばかり撮影する。
新潟のギフ2(交尾・交尾拒否編)_f0031682_17123960.jpg

家内は違うアングルで広角で撮影したが、ギフの後ろに見えるのが吸蜜を撮影した桜の群落だ。
このときはまだ桜にギフが来ているとは知らなかった。
新潟のギフ2(交尾・交尾拒否編)_f0031682_171257100.jpg
その後桜での吸蜜を撮影していると、花から飛び立った♀の所に♂が飛びついて地面に落ちた。
交尾済みの♀だったようなのですぐに離れると思って見ているとやけに時間がかかっている。
近づくと交尾をしようとしているようなので、あれ、未交尾だったかなそんなはずはないなと思いながらとりあえず落ち着くのを見ていると、いつまで経っても向かい合ったままでちゃんとした交尾姿勢にならない。
新潟のギフ2(交尾・交尾拒否編)_f0031682_17135669.jpg
これはもしかして、既交尾の♀に♂が強引に迫っているかな、時間がかかっているのはもしかして交尾嚢を押しのけて交尾しようとしているのかなと思って、尾端をきちんと取ろうとするが♂が翅をおろしてしまい尾端が隠れてなかなか思うように撮れない。
♀は♂の頭を抱えるようにして向かい合った姿勢のまま10分くらい経過した。
その後も♂は激しく動き、時々隙間から覗くと、なんとなく♀の交尾嚢が外れて交尾が成功しているようにも見える。
新潟のギフ2(交尾・交尾拒否編)_f0031682_17142187.jpg

藪の中なのでなかなか撮影も難しく、ペアの乗った枯葉をそっと持ち上げてそのまま撮影しやすい芝生の上に持っていって、ゆっくり観察を続けることにした。
♂が翅をやや閉じ気味にして尾端が撮影しやすくなったので、寝転びながらアップで撮影すると、黒い板のような交尾嚢が見えるので新たな交尾は出来ていないようだ。そのうち♂がぱっと飛び立った。
交尾嚢を押しのけることが出来なくてあきらめたようだ。
新潟のギフ2(交尾・交尾拒否編)_f0031682_17144528.jpg
この間30分、その前の三つ巴と合わせて、♂の子孫を残そうとする執念はすごいものがあると感心した一日だった。

by dandara2 | 2008-04-23 17:15 | 交尾 | Comments(22)
Commented by 虫林 at 2008-04-23 19:27 x
今回もダンダラさんらしいギフチョウの迫力ある生態写真が並んでいますね。
最後の交尾嚢の付いたメスにオスが迫る場面はドラマチックで最高です。
ゆっくりと観察できてよかったですね。
Commented by maeda at 2008-04-23 21:05 x
これはもう喧嘩ですね。
直に見ているとさぞ迫力あるのでしょう。
Commented by cactuss at 2008-04-23 22:18
充分、交尾を観察できて良かったですね。交尾嚢を付けた雌にこれだけ迫っている観察例は記録がないのではないでしょうか。
小生の方はkmkurobeさんに連れて行ってもらった場所で、交尾した瞬間を観察し、これで、交尾写真が充分撮影できると喜んだのですが、その後、その交尾個体ははるか遠くに飛んで行ってしまいました。残念でした。
Commented by ダンダラ at 2008-04-23 22:49 x
虫林さん、ネットマンもカメラマンも、さらには人が誰もいなかったので思う存分撮影出来ました。
交尾済みの♀と♂の絡みは、交尾嚢がもう少しはっきり写ると良かったのですが、茶色のヒメギフと違ってギフの黒い交尾嚢はなかなかはっきりとは写らず、せっかくのシーンが少し残念な結果になってしまいました。
でもこの交尾嚢、何か角みたいのまであってちょっと迫力あると思いません?
Commented by ダンダラ at 2008-04-23 22:56 x
maedaさん、おかげさまでサクラギフだけでなくこんなシーンまで心おきなく撮影することが出来ました。本当にありがとうございました。
この時は目の前のシーンを何とか肝心のポイントをはっきりと写したいとそればかりでしたが、♂の執念というか、子孫を残すための全力の戦いには正直驚きました。
交尾嚢は結果として有効ですが、♂の求愛を未然に防ぐという意味ではあまり役立っていないみたいですね。
Commented by ダンダラ at 2008-04-23 23:02 x
cactussさん、とにかくこの♂は必死という感じでしたね。せっかくつかまえた♀を逃がしてなるものか・・という感じがひしひしと伝わってきました。
ギフの交尾個体は意外と活発ですよね。残念でした。
今回はおとなしいカップルに巡り会ってその点では非常にラッキーでした。
Commented by thecla at 2008-04-23 23:18 x
2週続けて交尾の撮影だけでなく、3頭からみ、交尾嚢を押しのけようとしての交尾行動、すばらしいです。
今年は、ギフの撮影に投資をとおっしゃっていましたが、↓の桜ギフも含めてすごい成果ですね、おめでとうございます。
Commented by ダンダラ at 2008-04-23 23:36 x
theclaさん、今回は交尾(しかも3頭絡み)にはついていたようです。
色々な生態の中で、一番観察しにくいのが交尾だと思っていますので、それがこんなに簡単に撮影出来たのはうれしいです。
Commented by たにつち at 2008-04-24 12:42 x
すごい迫力ですね。
とても生命力と繁殖力の強いチョウって感じで、これなら沢山増えてもらえそうですが。。
ギフチョウで横入りしようとするシーンは、まだ観察できたことないです。
Commented by ダンダラ at 2008-04-24 21:39 x
たにつちさん、ギフ自体はまだまだ種としての繁殖力はかなり強いものを持っていそうな感じですよね。
それが証拠には、杉林などが伐採されると一時的にはギフがかなり増えるという話も良く聞きますし。
カンアオイという植物を食草に選択したのが間違いなんでしょうね。
ヤマトシジミなどはカタバミ1種しか食べないのに、そのカタバミの繁殖力が強いからあれだけどこにでもいますしね。
ギフチョウの絡みは私も今年初めて色々撮影することが出来ましたが、これも何かの巡り合わせのような気がしています。
Commented by kmkurobe at 2008-04-24 22:46
さすがの画像のれんぞくですね。すばらしい・・・・
cactussさんが書かれているように失敗しました。その昔銀塩事態に撮影したペアは30分近くを過ごし、おとなしく撮影させてくれたのですが。まさか樹上はるかにとびさるとは思いも寄りませんでした。
Commented by ダンダラ at 2008-04-24 23:20 x
kmkurobeさん、ありがとうございます。
ギフの交尾、すぐに逃げられたとか。残念でしたね。
皆さん、ギフの交尾で苦戦しておられますが、どういうわけか今年私が見るのは、ほんとにゆったりと30分近くも良いモデルになってくれるものばかりです。
覇気が薄れて殺気を放出しなくなったせいかな?
Commented by cicada_nana at 2008-04-25 18:31
絡むシーンだけでも凄いのに交尾シーンまでバッチリだなんて凄いです
しかもどれも綺麗な写真で、うっとりします
こちらは平地ギフは終盤を向かえ、静かになっていました

まだまだ良いのがあればUPしてください~~~~
Commented by nomusan at 2008-04-25 21:08 x
う~ん、これはすごいシーンですね・・・。
やっぱり♂はこれくらい執念深くないと生きていけないのでしょうかね~(爆)。
いや、これはええもん見せて頂きました。

↓出遅れてしまいましたが満開の桜を背景の飛翔画像も素晴らしいですね。
Commented by ダンダラ at 2008-04-25 22:43 x
nanamiさん、今年はどういうわけか貴重なシーンによく遭遇します。
今まで何度もギフ撮影に行っているのに、今年ほど交尾とか絡みとかが良く撮れた年はありません。
多少落ち着いて蝶の動きを見ることが出来るようになったからでしょうか。

同じようなシーンは山ほど撮りましたが・・同じパターンでもね。
連休中に頑張ります。
Commented by ダンダラ at 2008-04-25 22:46 x
nomusanさん、♂はやっぱりこうでないといけないのかも (^^ゞ
でも自分の子孫を残すチャンスはきっとわずかしかないんでしょうね。
必死の感じが良く伝わってきました。
Commented by kenken at 2008-04-26 22:21 x
なんと臨場感のあるシーンでしょうか!
以前に私も、♂が♀から短時間でぱっと飛び去るシーンを見ましたが、
既に交尾済みの♂にアタックしているのかもしれませんね。
Commented by ダンダラ at 2008-04-27 09:02 x
kenkenさん、ありがとうございます。
臨場感があるとほめていただけるとうれしいです。
交尾済みの♀にアタックするのは時々見ますけど、それほど時間がかからずあきらめるのが多いように思うのですが、今回のはほんとに執拗でした。
長いこと♀にあぶれていた♂なのかなとも思ったりもしましたけど。
Commented by chochoensis at 2008-04-27 19:10 x
ダンダラさんらしい観察に息を呑みました・・・自然観察ってこうあるべきなのでしょうね・・・感心してしまいました、私もそういう意気込みで撮影してみたいです。とても参考になりました。
Commented by 霧島緑 at 2008-04-27 22:16 x
またとないシーンに遭遇ですね。
3頭が絡みあうシーンは、写真の出来栄え以上に生々しさが伝わってきます。撮影していてもハラハラしたのではないでしょうか。すごい!見事ですね。
Commented by ダンダラ at 2008-04-27 23:12 x
chochoensisさん、ありがとうございます。
今年は運良く貴重なシーンに遭遇出来て何とか撮影にも成功しています。
今まで交尾には滅多に会うことはなかったのに、今年は2週続けて撮影出来て、しかも絡みシーンのおまけまで付いて・・どうしちゃったんだろうという感じです。
Commented by ダンダラ at 2008-04-27 23:19 x
霧島緑さん、絶対ちゃんとした写真に収めないといけないなと言う気持ちが強くて、アングルとかを決めるのに急がしく、あまりハラハラどきどきというのはしないです。
でも目の前でこんなシーンを展開してくれて、それをカメラに無事収められたときは、やったーという充実感が湧いてきますね。


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