2006年 12月 21日
今日は別の休日出勤の代休、で、またもや曇天。この冬はどうなっているんだろう。 もっとも今日はムラサキシジミの越冬状態を観察したかったので、この曇天はかえって好都合、早速観察に出かける。 いつもムラサキシジミがいる場所に行って探すと、期待通り枯れ葉に止まって越冬中の個体を見つける。 ![]() 調べたかったのは越冬中の態勢、ムラサキシジミの場合は枯れ葉の上で体は立てている。 ![]() もう1個体を見つけるが、こちらは頭上なので見上げながらの写真、ストロボを使用している。こちらも枯れ葉に止まって体は立てている。 ![]() これは今年1月に撮った写真だが、ムラサキツバメの場合必ずしも枯れ葉に止まるとは限らない、むしろ緑色の葉に止まっていることが多い。 そして、気温が低いと体を横倒しにしている。これは一体何のためだろう。 ![]() そこで思いついたのが、ムラサキツバメの場合は枯れ葉を探して止まるのではなく、自分が枯れ葉になろうとしているのではないかと言うこと。 マテバシイの葉は、写真のように一部が茶色く変色している葉が結構あるが、これに擬態しているのではないだろうか。 ![]() 観察例が少ないから、今は単なる思いつきだし、これを証明することは難しいだろうが、多分あっていると思う。 そして、なぜ集団で越冬するのだろうか。 集団越冬中のムラサキツバメを写真に撮っていて、広角接写しようと近づきすぎると一瞬にして集団が飛び立ちあたりに四散することがある。 ![]() これが集団越冬の意味ではないだろうか、つまり小鳥などに襲われた時、一頭が暴れるとそれが引き金になり集団全体が敵から逃げ出すことができる。 寒くて動きが鈍い時は、枯れ葉に擬態して適の目を欺く。これがムラサキツバメのとった戦略なのだろう。 ムラサキシジミの場合は、自らを枯れ葉にするのではなく、枯れ葉の中に紛れる戦略をとったのだろう。 これからはそんな視点から越冬を観察して行きたいと思う。 ところで、マテバシイの木の写真の、一番手前の表面をこちらに向けている葉の先端の奥の葉をよく見るとなにやら黒いしみのような物がある。 近づいてみると・・・なんと蝶がいた。 ![]() 一瞬ムラサキツバメの越冬をわが家近くでも見つけたかと喜んだが、残念ながらムラサキシジミだった。 ウーン、ムラサキシジミの気持ちがわかるようになってきたのかな (^^ゞ この時撮影した写真を家のPCで確認したら納得いかなかったので、再度撮影に行った。 迫力ある越冬シーンを撮りたかったのだが、ストロボを使うとどうもうまく行かないので、手持ち1/60で撮影。上の2枚目も同じ1/60だが、VRレンズの威力を感じた瞬間だ。 ![]()
by dandara2
| 2006-12-21 23:11
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Comments(6)
ウーン、さすが、ダンダラさんらしい、鋭い視点での観察ですね。確かに5枚目の写真を見ると、この部分枯葉状態の中から、ムラツの集団を探すのは厳しそうです。
ただ、ムラツの横倒し姿勢は表面積を1/2にして、越冬中にお互いの熱放散を避ける工夫も兼ねているのでしょう。それが証拠に6枚目のように陽光が降り注げば体を立てていますよね。 3兄弟の残り、ルーミスはムラサキシジミタイプなのでしょうか?
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fanseabさん、たしかに熱の放散を防ぐという意味もあるかも知れませんね。
ただ、変温動物のムラサキツバメの体温が、非活動状態で周囲に比べてどの程度高いのかなというのが判然としないのと、同じように成虫で越冬するムラサキシジミやウラギンシジミは体を寝かせないので、動けない状態での天敵の目をくらます意味の方が高いのかなと思った次第です。 体温が上がって体を立てるのは、天敵に襲われた時に逃げる体制をとるためかなと思いました。 いずれにしてもふと思いついた意見なので、色々な方の意見を聞いて議論をしたり、色々な仮説を検討しながら観察を続けていこうかなと思っています。
ダンダラさんと、fanseabさん、のご意見、両方の要素がありそうに思いますが・・・日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編でも、「・・・ムラサキツバメは時に大集団を形成し、低温時には触角を出したまま横倒しとなり、温暖な日中には飛び回り(中略)・・・=集団形成の生態的な意義については、未だ不明である=・・・」とあるので、雨露の掛からない場所で低温に対処するのかな?と思っていました・・・。そう思ったのは、アメリカのオオカバマダラマダラが渡りをしてメキシコの山中で数万の大集団を形成する越冬写真を見たのが影響しているのかもしれません・・・。
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chochoensisさん、ムラサキツバメの越冬場所は、見つけてから周囲の環境を良く眺めると、たしかにあまり風が当たらず、ほどほどの湿度があって、天気がよい日には活動状態に入れるように、日も適度に当たる場所が多いように思います。
オオカバマダラの越冬場所も適度な湿度が維持されることが結構大切な条件だったように思います。 本文にも書いたように、ほんとは何なのかを証明することはかなり難しいと思います。 それでもあまり蝶の多くないこの時期、同じ越冬状態を撮影するにしても、何らかのテーマを持って撮影する方が、晴天でも曇天でも楽しめると思って自分なりの仮説を立てて見ました。 数頭のムラツがベターと寝ているのは、見つけてもあまりうれしくないのですが、こういったことが頭にあると、やったー証拠写真になる・・と張り切れるような気がします。
ムラサキツバメが体を倒して枯葉になりすますという説、私も同感です。越冬集団を初めて見た時の印象は、緑の葉の上に枯れてくしゃくしゃになった落葉樹の葉がへばりついているというものでした。体を倒してもそこそこ立体感があるので、枯れた部分になりすますというよりは葉の上の異物として振る舞っているように思えました。集団を形成するのも体を倒すのも全体で一つのかたまりに見せる狙いがあるのではないかと考えています。
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furuさん、ありがとうございます。
同じようにムラツの集団越冬を観察していらっしゃるfuruさんから賛同の意見をいただくと大変心強いです。 「枯れてくしゃくしゃになった落葉樹の葉がへばりついている」・・まさしくその通りですね。 実にうまい表現ですね。集団越冬も確かにそう言った意味もあると思います。 |
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