2016年 11月 28日
初雪騒ぎで飛ばしてしまったけど、11月17日はムラサキシジミの口吻の先の確認をメインの目的として、いつもの公園に出かけた。 天気も良く穏やかな日で、ムラツ、ムラシはいつものように葉に付いたアブラムシの排せつ物を吸汁している。 ただ口吻の先がわかるように、きちんと写すのは意外と難しい。 ようやく口吻の先が少し浮いたところをきちんと写すことが出来た。 その写真の拡大。 ムラサキシジミでも口吻の先に何か尖ったギザギザの物が見える。 ムラサキツバメの記事の時に、otto-Nさんから歯状感覚子ではないかとのお話があり、それについて書かれている本田計一/加藤義臣編「チョウの生物学」について教えていただいた。 それによると、感覚器官の一種のようで、樹液を吸うタテハチョウの仲間などで発達していて、花の蜜を吸うアゲハ蝶の仲間などではほとんど見られないようだ。 シジミについては触れられていなかったけど、ムラツ、ムラシとも樹液に類するものを吸汁するので発達しているのだろうか。 ムラサキツバメは、オスが赤くなり始めたヒイラギの葉の上で翅を開いた。 メスの方は、マテバシイの葉の上で翅を開いてくれた。 近くにはイチョウの木もあって、丁度黄葉の盛りなので、この葉の上で翅を開いてくれないかと思うけど、なかなか思い通りにはいかない。 少し離れた下草の上でムラサキシジミのメスが翅を開いたので、何とかイチョウの葉を入れようと頑張るけど、翅が一部笹に隠れてしまった。 いつもムラサキシジミが越冬するマテバシイの葉を見ると、今年も4頭のムラサキシジミが集まっていた。 気温が上がってムラサキツバメが飛び回るようになって、その様子を見ていると頭上のクヌギの木から降りてきたり、飛び上がった個体がその中に入っていくように見える。 その行方を追うと、クヌギの葉に越冬集団が見られた。 光線がきついし、少し距離があるので、うまくは撮れないけど、何とか証拠の写真は撮れた。
いつもだと8時過ぎには晴れてくるのに、この日は10時を過ぎても晴れる気配がない。 それでも11時ころには明るくなってきたので、この状態なら強い影が出来ないだろうと思って、再度越冬集団を撮影に行く。 11頭ほどいるようだ。 撮影していたら薄日が差してきて、集団が少し動きだして1頭のメスがその上の葉で翅を開いた。 イチョウの葉の上でもムラサキツバメのメスが翅を開いてくれた。 サザンカも咲き始めて、そこにムラサキツバメが降りてきた。 吸蜜するかと期待してみていたけど、 蕾にとまった。 近くには花も咲いている。 あの花の方に行かないかと期待してみていると、小飛してその花にとまった。 残念ながら吸蜜はしなかったけど、これからこんなシーンがいろいろ見られるかもしれない。
by dandara2
| 2016-11-28 10:33
| 吸汁
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Comments(10)
そもそもが口吻はとゆ状のものを貼り付けるのだから、切り口が正円の
円柱と思っていましたが、この写真を拝見する限りでは四角形か六角形 のようですね。 その左右に歯状のとげがあるという形状でしょうか。 私の不十分な観察でも、葉を舐めているのはこの歯状の部分ではなく口 吻の上面(四角形なら)のように見えましたが、その辺りも気になりま すね。
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clossiana at 2016-11-29 11:15
確かにギザギザがありますね。uke-enさんがご指摘のように、口吻が“とい状のものを貼り付けた構造”になっているとすれば先端以外では何かを吸うって行動が出来ないはずですから、そうすると或る種の感覚器官ではなかろうかとの説は正しそうに思えます。でもそうなると、それ以上のことはもはやフィールドでの観察ではなくて実験室内での守備範囲になってしまいそうです。そこでこのギザギザをどんな時に用いているのかを写し取ることが出来ればなぁとの夢を持ってしまいます。
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ダンダラ
at 2016-11-29 17:50
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ダンダラ
at 2016-11-29 17:57
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clossianaさん、口吻の先端で吸汁するのでしょうが、先端の方は丸くはなくて、平たくつぶれたようになっています。
このギザギザは感覚毛からなっていて、神経につながっているような説明がありました。 私としては、これで葉の表面をごしごしやってほしいですが、それは静止画ではわからないですね。 動画を撮影している方にチャレンジしてほしいところです。
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yurinBD at 2016-11-29 21:15
ムラサキシジミの口吻のギザギザ、よく分かりました!
素晴らしい観察ですね~♪ 次の機会にムラシ、ムラツに出会ったら是非確認したいです。 サザンカとムラサキツバメの雌、綺麗ですね! じきに吸蜜シーンも見られそうですね!
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ダンダラ
at 2016-11-29 22:25
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悠凜さん、口吻のギザギザ確認していただけましたか。
面白いもんですよね~ ぜひ確認していただきたいですが、写真は結構難しいです。 ピントも大事ですが、口吻の先の状態が大事で、この写真のように少し浮いた状態でないとわかりません。 ぜひチャレンジしてみてください。
ムラシにもブラシがありましたか。
面白いですねえ。 タテハでは感覚毛として発達しているのですね。これからはそういった事も意識して写真を撮らないと駄目ですね。 イチョウの葉やサザンカの蕾に止まったムラツの写真、とてもきれいですね。
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ダンダラ
at 2016-11-30 19:28
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naoggioさん、予想した通りムラサキシジミにもブラシがありました。
タテハではこれより立派な感覚毛があるようですが、生きて吸汁している口吻でこれを写すのはかなり難しいような気がします。 「チョウの生物学」では、白い背景でストローを伸ばした状態の顕微鏡写真になっていましたからよくわかりますが、樹液だと背景が黒っぽいので、背景に紛れてしまいそうです。 でも知っていて、それを意識しているのとそうでないのとでは、撮影結果にもきっと差が出てくるのではないかと思います。
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banyan10 at 2016-11-30 19:36
先日はいろいろ教えていただき、ありがとうございました。
黄色いイチョウで開翅するムラツの雌は綺麗ですね。 ヒイラギでは僕は今まで撮影できていなかったので、先日はこれも嬉しかったです。これから、もっと赤い葉で撮影できるのを期待したいですね。
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ダンダラ
at 2016-11-30 21:47
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banyanさん、こちらこそありがとうございました。
ちょうど良い時間に来られてよかったですね。 ヒイラギがちょうどきれいな時期で、私もあれだけきれいになった状態で写真に撮れたのは初めてです。 もう少し楽しめるとよいですね。 |
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