2012年 03月 31日

小畔川便り(ウラギンシジミ越冬完了:2012/3/30)

昨年の12月11日以来観察を続けていたウラギンシジミが越冬を終えて飛び立った。
3月25日に観察した時はいつもと変わりなく葉の裏で越冬していた。
小畔川便り(ウラギンシジミ越冬完了:2012/3/30)_f0031682_8544995.jpg

29日は穏やかな暖かい日で、越冬を完了するのではないかと様子を見に行った。
まだ葉の裏にいたけど、よく見るとそれまで完全に翅の下に隠していた触角の先端が見えている。
小畔川便り(ウラギンシジミ越冬完了:2012/3/30)_f0031682_855115.jpg

30日は朝から曇天。出かけるのをやめて部屋の片づけをしていると、13時過ぎになって空が明るくなってきたので、少し離れたサイボクまで買い物ついでに周辺の様子を見に行く。
ミヤマセセリはまだ出ていなかったようだけど、モンキチョウなどを撮影し買い物も終えて車に戻ろうとしたら、風に吹かれて落ち葉のようなものが顔(唇)にあたった。
あれっと思ってみると、落ち葉ではなくウラギンシジミだった。

その行方を追いながら、「口を開けていたら食べちゃうところだった。観察中のウラギンシジミも越冬を完了したかな、あの蝶はそのお知らせかな。」などと家内と話をしながら、越冬中のウラギンシジミのところに行ってみた。

蝶を驚かせないように少し離れたところから回り込もうとしたらぱっと蝶が飛び立った。
見るとウラギンシジミ。越冬を終えて少し移動していたようだ。
目で追いかけるがなかなか止まらない。
木の周囲を飛び回ってはまた離れて移動ということを繰り返し、時には私の体の周りをまとわりつくように飛び回ったりもした。
飛翔用のカメラを持ってきていたら撮れたのに、この時は持っていない。雌だというのは確認できた。
ようやく止まったのは5m位の高さのアラカシの葉の裏。
難しいけど、何とか越冬明けの証拠写真だけは撮れた。(真ん中あたりにいます)
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越冬していた葉を見ると、しっかり爪をくいこませていた跡が茶色のシミとして残っていた。(白いのは何かの卵のように見えるのだけどよくわからない)
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また少し気温が下がるようだけど、無事子孫を残してくれるとうれしい。
わざわざ知らせてくれてありがとうと空に向かってお礼を言いたい気分だった。

by dandara2 | 2012-03-31 09:02 | 越冬 | Comments(15)
Commented by otto-N at 2012-03-31 09:30 x
ウラギンシジミの消息が気がかりで、聞こう聞こうと思っていました。無事に旅立ちほっとしました。
昨日の午前中は、そちらも日差しがなかったかと思いますが、気温は高めでした。この日一斉にウラギンは、冬眠から覚めたのかもしれません。
それにしても、貴重で劇的な瞬間に立ち会えましたね。おめでとうございます。
Commented by fanseab at 2012-03-31 09:33
春風に吹かれて落ち葉が顔に当たった・・・、と思ったらウラギンだった。そのウラギンが仲間の越冬明けを知らせてくれた。まるで寓話の世界ですね!その素敵な体験も地道な継続観察を続けられた貴兄へのプレゼントだったのでしょう。心温まる記事を有り難うございました。
Commented by uke-en at 2012-03-31 10:57 x
おめでとうございます。ウラギンシジミくん(ちゃん、♀でしたね。)はどうなっている
のかと気にしておりました。
こちらも同日でしたか。越冬明けの引金は、ウラギンシジミに係る高柳さんのご考
察じゃないですが、キタキチョウでも気温以外に日長もありそうに思っています。
実際のところはどんなものでしょうか。越冬まとめの際は、恐る恐る暴論(呆論)を
展開してみようかと考えています。
ただ、7頭+αを観察し、いろいろありましたので、達成感というより、何とか乗り越
えられた、ホッとした、というのが正直なところです。

ところで、残った脚の穴?は4個ではなかったのでしょうか。気になります。
Commented by banyan10 at 2012-03-31 11:44
ちょうど動き出したところを観察、撮影できるというのは貴重ですね。
越冬の観察は知らない間に見れなくなるというのが普通ですが、翔写真館のように晴れた日にインターバル撮影で記録というのは面白いと思いました。
僕も同じ日に八王子でウラギンを観察したので、一斉に動き出した日なのでしょうね。
Commented by Sippo5655 at 2012-03-31 21:38
ああ・・・無事、飛び立って♪
すっごく私も嬉しいです!!
唇に当たった子は きっと知らせてくれたんだと思います。
「想う」気持ちが 呼んでくださった縁でしょうね。
ウラギンさん 周りを飛んで お礼を
うるうるしちゃいました。。
本当に、よかった!!
爪をたてた跡 闘いのしるし
しかと拝見です!!
Commented by ダンダラ at 2012-03-31 22:45 x
otto-Nさん、ウラギンはなかなか動きがないのでブログには載せませんでしたけど暇を見ては観察していました。
最後まで見届けることができてほっとしました。
30日は午後から暖かくなりましたからいろいろな蝶が動き始めたようですね。
Commented by ダンダラ at 2012-03-31 22:52 x
fanseabさん、家内ではなく私の顔にウラギンが当たったというのが何となく嬉しいです。
こんな偶然ってあるものなのですね。
地道に観察を続けていくというのは、結構エネルギーを必要としますけど身につくものも多い感じですね。
Commented by ダンダラ at 2012-03-31 22:56 x
uke-enさん、ありがとうございます。
あちこちで同じ日に動き出した感じですから、おっしゃるように気温だけではない要素があるかもしれないですね。
キタキチョウの観察はウラギンシジミ以上に観察が難しいと思いますので、記録をまとめられれば多くの方の参考になるのではないでしょうか。
脚の爪の後ですが、この時撮った写真を原寸に拡大しても2本分しかわかりませんでした。
葉がかなり傾いていましたので、食い込み方も違っていたのかもしれないです。
Commented by ダンダラ at 2012-03-31 23:02 x
banyanさん、私が見に行ったときには越冬していた場所から1m位離れた隣の椿に止まっていましたので、この日のいつごろに越冬場所から離れたのかはわかりませんが、もし離れた場所に移動してしまっていたら、もぬけの殻になった葉しか観察できなかったわけなので、その点では幸運でした。
翔さんの記事は拝見しました、自宅だからこそできる撮影法ですね。
でも貴重な記録だと思います。
そちらでもウラギンを観察されましたか。
この日に越冬から覚めた蝶は多かったようですね。
Commented by ダンダラ at 2012-03-31 23:06 x
Sippoさん、ありがとうございます。
顔(唇)にあたったのも何か偶然とは思えなくて、車を運転して越冬していたウラギンのところに行く時には、越冬明けのウラギンに会える確信みたいなものがありました。
でも、注意したつもりで近づいたのに、私の動きで飛ばれてしまったのはちょっと残念でした。
思い出に残る経験をさせてもらいました。
Commented by ぐみ at 2012-04-01 16:54 x
特に厳しかったこの冬を無事に乗り切ったのですね。記事を拝見しているこちらも、なんだか嬉しくなりました(^^)
卵?のようなもの、とまっていた際にちょうど尾端がくる辺りのようですし、ちょっと気になりますね。
Commented by dragonbutter at 2012-04-01 18:36
心温まる記事に感動しました。
ダンダラさんの体の周りをまとわりつくように飛び回ったのは、きっと冬の間気遣ってくれたダンダラさんに最後のお別れの挨拶をしたかったのではないかと思うのは私だけでしょうか。
Commented by ダンダラ at 2012-04-03 11:18 x
ぐみさん、ありがとうございます。
この個体を発見したのが12月25日、近くで越冬中の個体(途中で不明)から入れると110日の観察になりました。
卵のことですが、越冬の初期からここにあるんですよ。
最初のころの写真にも写っているんですが、蛾の卵かななんて思っていましたがよくわかりません。
Commented by ダンダラ at 2012-04-03 11:20 x
dragonbutterさん、ありがとうございます。
私の体の周囲を飛び回ったのはそんな感じだとうれしいのですが・・・
まあ、こちらの思い入れということでうれしい記憶にしておきたいと思います。
最後まで見届けることができてよかったです。
Commented by clossiana at 2012-04-04 20:56
ついに越冬に成功しましたね。今年の冬は特に寒かっただけに越冬出来た個体はたいしたものです。またそれを見届けられたダンダラさんも粘り勝ちですね。両者に拍手喝采です。何度か積雪もありましたが葉裏での越冬は葉表で越冬するムラツやルーより積雪の影響は相対的に少ないのかもしれないなと思いました。と言いますのは例年であればルーは春まで確認出来る個体が結構多いのですが今年は1頭だけだったからです。


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