2011年 08月 25日

秩父のムモンアカとスジグロチャバネセセリ(2011/8/17)

8月17日は秩父のIさんのお誘いで、埼玉指定希少野生動物選定調査と言うことでムモンアカシジミの調査に行ってきた。
埼玉のムモンアカシジミは秩父市(旧大滝村)のみで記録があって、埼玉県のレッドデータブックによれば絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。
近くからの撮影は難しいかも知れないと言うことであったが、確認だけでも良いと思い参加させてもらうことにした。
当日は9時30分にIさんのお宅に伺った所、もう一人Tさんもいらしていた。
早速Iさんの車で出掛け1時間ほどでポイントに着く。
まだムモンアカの活動時間には間があるので、その間近くの様子を見て歩く。
林道沿いにはユキヤナギの株があってホシミスジが見られた。
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久しぶりにホシミスジを見たような気がしてうれしかった。しかも埼玉で・・・
自宅に帰って手元の写真を見ると、2007年に群馬県の榛名山で撮影して以来のことになる。
お二人はいつも見ているので特にこれといった感想もないようだけれど、標高の高いこの場所は年2化で、もう一ヶ所のムモンアカのポイントはここよりも標高が低いのに、そこにいるホシミスジは年1化だと興味深い話を聞かせてもらった。
道路脇のユキヤナギに産卵していた。
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それでIさんが近くを探してみたら小さな巣が見つかった。
長さは2mm程度。普段からこういった幼虫探しを行っているIさんだから見つけられたようなものだ。
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歩いている途中では、やや小振りの翅の丸い感じのシロチョウが飛んでいた。
翅を開かないので、飛びあがる所を撮影してみたが、ヤマトスジグロシロチョウのようだ。
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また、スジボソヤマキチョウもいた。埼玉ではヤマキチョウは絶滅と言うことになっているが、見かけるとちょっとドキッとする。
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サカハチチョウも産卵体制をとっていたが、食草の横の枯れ枝に産卵体制をとっていた。
母蝶を眼で追いかけたので、後でどの枯れ枝かわからなくなってしまい、実際に枯れ枝に産卵したのかどうかはわからない。
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大きなタテハが横切ったので見るとオオミスジだった。
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近くのスモモ?の葉を見ると産み付けられた卵が見つかった。
近くにはもう1卵見つかったので、ここで発生しているのだろう。
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別の場所に移動した時にも人家の前の梅の木でIさんが幼虫を見つけた。
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体長2mm程度の小さな幼虫で、指さされても葉の食い残しと区別が付かなかった。
これも日頃の探求のたまものだろう。
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時間になったのでムモンアカのポイントに戻ると、30m位先をチラチラと数頭のムモンアカが飛んでいる。
一度は目の前に飛んできたのだけれど、飛翔用のカメラは車に置いてきてしまったので唖然と見守るだけだった。
かろうじて証拠写真を撮ることが出来た。翅を開いているが斑紋の特徴から雌のようだ。
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ここではこれ以上近くでは撮影できないのでもう一ヶ所に移動。
着くとすぐに目の前にムモンアカが飛んできた。
この時も望遠しか持っていないので空しく追跡するのみだったけど、ようやく10m位先の枝に止まったので撮影することが出来た。
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撮影していたらぱっと飛び立ったが、タイミング良く撮影することが出来ていた。
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これで無事にムモンアカの確認も出来たので、帰りがけに数日前に確認したというスジグロチャバネセセリのテリ張り場所に案内していただく。
埼玉のスジグロチャバネも絶滅危惧Ⅱ類に分類されていて、撮影できればかなりうれしい。
そっとその場所を覗いたIさんが、アッいたというのでみると、かなり痛んではいるけど確かにスジグロチャバネが止まっている。
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2日前にはかなり新鮮な個体を見たと言うことだったけど、この時ももう一頭新鮮な個体が絡んですぐに飛んでいってしまったので、あるいはそちらの方がIさんの見た方かも知れない。
傷んでいるので、念のため開翅した所も撮影。
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♂で、性標が認められるのでスジグロチャバネセセリで間違いないだろう。
ここがスジグロチャバネセセリの確実なポイントだとうれしい。
オナガシジミも見られたが、距離があるのでほんとの証拠写真だけになってしまった。
秩父では強力な望遠レンズが欲しくなるケースが多い。
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Tさんには、埼玉県の平地での蝶の最近の動向などをうかがった。
ゴイシシジミ、ヒメジャノメ、ジャノメチョウ、オオチャバネセセリなど減少傾向の著しい蝶があるらしい。
自宅近くでもこれらの蝶は見ることが出来たので、今後注意してみていこうと思う。
色々勉強になることが多かった。
Iさん、Tさん ありがとうございました。

by dandara2 | 2011-08-25 16:42 | Comments(8)
Commented by naoggio at 2011-08-26 14:27 x
ムモンアカシジミ確認できて良かったですね。埼玉県での発生地は初めて聞きました。
個体数もけっこう多そうですね。
スジグロチャバネセセリ、埼玉でも絶滅危惧Ⅱ類なんですね。知りませんでした。
秩父を擁する埼玉県なのに意外です。
ちなみに神奈川では絶滅危惧Ⅰ類です。私は神奈川県下では見たことがないと思います。
Commented by himeoo27 at 2011-08-27 17:42
ミスジチョウの仲間の幼虫はコミスジしか見たことがありませんが、
オオミスジの幼虫も本当に「葉の食い残し」と区別が付きませんね!
Commented by chochoensis at 2011-08-28 12:40 x
ダンダラさん、埼玉県でもこれだけ観察できるとは、驚きました。ムモンアカ・スジグロチャバネも凄いですが、=ホシミスジ=も素晴らしいです。ホシミスジは、群馬県側でしか見たことがないです。オオミスジは東京都側で1回だけ見たことがありますが、めずらしいですね。幼生期がこれだけ見れれば最高でしょう!!!凄い!
Commented by konty33 at 2011-08-28 20:53
産卵、卵、幼虫といつもながら色々な生態をご紹介いただきたいへん勉強になります。
先日、オオミスジの卵と幼虫を見る機会があり、その観察の面白さをあらためて知りました。
これまでは、卵や幼虫まではじっくり見る余裕がありませんでしたが、今後は機会を見つけては少しずつ観察してみたいと思います。
Commented by ダンダラ at 2011-08-29 07:45 x
naoggioさん、すみません留守にしていたのでコメントの返事が遅れました。
ムモンアカの埼玉での発生地は私も良く知りませんでした。
個体数は多くはありませんけど、今回のような距離での撮影なら行けば何とかなりそうです。
スジグロチャバネはどこでも少ないですね。神奈川ではそんな状況ですか。
今回ははっきりとテリ張り場所とわかったので、来年以降も同じ場所がテリ張り場所になるのか興味があります。
Commented by ダンダラ at 2011-08-29 07:48 x
himeooさん、私は幼虫探しはほとんどしたことがないのですが、Iさんは常に注意して食樹を見ていて、あっけなく幼虫を見つけるのには驚きました。
意識の持ち方なんでしょうね。
幼虫の静止していた所の食痕は写真で見る限り古いもののようで、そう言ったことにも興味をひかれました。
Commented by ダンダラ at 2011-08-29 07:51 x
chochoensisさん、埼玉(秩父)は写真撮影には難しい感じの場所が多いですが、分布、生態を調べるには奥が深そうですね。
ホシミスジはその場所では数が多かったですが、全体的な分布についてはわからないので、これからも注意していきたいと思いました。
幾つかお聞きしたいこともありますので、後でメールさせていただきます。
Commented by ダンダラ at 2011-08-29 07:54 x
kontyさん、私も成虫以外のことに関してはあまりわからないので、Iさんについて行って勉強になることが多いです。
知識が深まれば深まるほど写真にも深みが出てくるような気がするので、お互い頑張りましょうね。


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