2015年 05月 20日

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)

5月15日から17日に北海道に行ってきた。

勤めがあったころは休みは日曜日のみだったので、この時期の北海道は行ったことがない。
狙いはもちろん、ヒメチャマダラセセリ。
それ以外にもいくつかの蝶が撮影できればいうことはない。

本当はもう一週間くらい遅い方がいいのかもしれないけど、次の週はどうしても外せない所用があるので、フライング覚悟で出かけることにした。

ところが、出かける1週間くらい前の天気予報では、アポイに登る予定の16日は傘マーク。
それでなくても曇ったり霧が出たりと気難しい山らしいので、これはだめかな、登れたとしてもお花畑の花の写真でも撮るしかないかなと言う感じで出かけた。

飛行機に乗ってしばらくすると機長のアナウンスがあり、千歳方面は曇りで、気温は8℃だという。
最初は聞き違いかと思った。
8℃ってこちらでは真冬の気温じゃないか。
雲ってその気温なら、初日の撮影はほぼ絶望的。
出来ればアカマダラとかを撮影しておきたいと思ったけど、この時点であきらめる。
一応土地勘を得ておこうと、気になっていた場所を歩くには歩いたけど、ハエ一匹飛んでいない。

アポイの麓の山荘に泊まり翌日はいよいよアポイ岳登山。
朝はかなり濃い霧で、霧雨も降っているけど、周辺は午後には晴れるという予報なので、とにかく登り始める。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06000697.jpg


途中こんな物騒なものがぶら下がっている。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06000619.jpg

うっかりクマ除けの鈴を忘れた我々は、しっかり鳴らしてみた。
すごく大きい音でびっくり。

目指すポイントまでは結構厳しい登りもあったけど、岳沢よりは楽かなと言う感じだった。

ポイントに着くけど霧の中。

それでも予報を信じてじっと待つ。

11時過ぎになると、霧が薄くなり青空が見え始めた。

山頂まで行ってきたと言う子連れの親子が下りてきたので挨拶をする。横を通り過ぎた子供が、"これってシジミかな"と聞き捨てならないことを話している。

見ると、自分の足元30㎝位の所に、目指すヒメチャマダラセセリがサマニユキワリの花に止まっているではないか。
全く気が付かなかった。
子供は視点が低いから気が付いたのかな。

いつもだと、軽く挨拶してから、邪魔をしないように少し待ってからカメラを向けたりするんだけど、さすがに今回はすぐにカメラを向ける。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06000659.jpg

アングルがどうのとか言っていられない、まずは証拠写真。
やったー、撮れた~ と言う安堵感がわいてくる。

小飛して近くの地面に止まったので、離れたところにいる家内を呼び、同じように撮影に来たと思われる方(Hさん)に手を振って合図をした。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_05595955.jpg

それからは、とにかく三人でシャッターを押す。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06000609.jpg
家内撮影

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06060961.jpg
家内撮影

サマニユキワリの上でストローを伸ばしているけど、吸蜜ではなく、花についた水滴を吸っているのではないかと思わせる写真もあった。(上の写真もそうかもしれない)
ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06000062.jpg

地面に降りた時には明らかに吸水していた。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06000066.jpg
家内撮影

アポイアズマギクでも吸蜜をしてくれた。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06000606.jpg


花の周りには水滴がたくさんついて、この日の天気を表している。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06000635.jpg

私は翅表をとることに夢中だったけど、家内はしっかり裏面にも気を配って撮影していた。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_06000098.jpg
家内撮影

その後曇って、少しくぼんだ地面に静止し、ピクリとも動かなくなった。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_05595972.jpg


少し明るくなると小飛して近くの地面に止まった。

ヒメチャマダラセセリ(2015/5/16)_f0031682_05595963.jpg

前翅や腹部の様子から雌のようだ。
それでこんなにゆっくりしてくれたのだろうか。


この日晴れたのは15分から20分位。
それでも、天気は良いほうに動いてくれた…
ちょうど良いタイミングであの親子が下りてきて、私の足元のヒメチャマダラセセリに気が付いてくれなかったら…
あるいは雄で人が来たことに驚いて飛び立っていたら…
などと考えると、今度もいろいろな偶然に助けられた撮影だったなと思わずにはいられない。




by dandara2 | 2015-05-20 06:23 | 吸水 | Comments(16)
Commented by 22wn3288 at 2015-05-20 08:07
ヒメチャマダラセセリか綺麗に撮れましたね。
素晴らしい。
運も味方してくれましたね。
子供さんの目の位置が最高でしたね。
Commented by kazenohane at 2015-05-20 17:54
こんばんは。
アポイ岳に行かれたんですね。
ヒメチャマダラセセリの撮影、おめでとうございます。
子どもが見つけてくれなければ、
撮影できなかった可能性もあり、ラッキーでしたね。
かなり難易度の高そうな蝶なんですね。
Commented by midorishijimi52 at 2015-05-20 20:22
目的蝶に出会えて良かったですね。
おめでとうございます。
偶然がいくつも重なって出会えることがありますね。
これって必然なのかもしれません(*^_^*)。
とてもかわいい蝶ですね。かなり小さく見えますが...
吸蜜している花もきれいでかわいいです。
ベストマッチですね。          midori


Commented by さっちゃん♪ at 2015-05-20 20:34 x
こんばんは
撮影成功おめでとうございます^^♪
すっごく小さいでしょう?^^;
私たちも行ったとき途中まで曇っていてすっごく心配でした。
北の空は変わりやすいですよね
遠征ブログ楽しみにしています。
Commented by maximiechan at 2015-05-20 21:26
本当に小さそうな蝶ですね。そして、なんと毛深いこと。
アポイアズマギクでの縦の写真がとてもいい感じです。
天気も味方してくれて、たまたま通りかかった少年にも助けられたのですね。
Commented by ダンダラ at 2015-05-21 06:28 x
旅友さん、ありがとうございます。
この時は麓のジオパークで聞いたら、午前中は霧だったということなので、本当に運が味方してくれたという感じでした。
子供さんにも感謝です。
Commented by ダンダラ at 2015-05-21 06:33 x
kazenohaneさん、年を考えて、登れるうちにと思って行ってきました。
ほんとに、子供さんが見つけてくれた時には、ありがとうと言う感じでしたね。
目を皿のようにして探していたのに、自分の足元にいるとは…
この山は、天気予報だけでは読み切れない部分があって、麓が晴れていてもガスの中だったり、その逆もあったりと言う感じのようです。
天気が良ければ、かなりの確率で撮影はできると思いますが。
Commented by ダンダラ at 2015-05-21 07:36 x
midoriさん、ありがとうございます。
なんでもそうなんでしょうが、運と根気ですかね。
ヒメチャはチャマよりは一回り小さいですが、大きさ自体はヤマトシジミとかと大差ないです。
ただ黒っぽくて、飛び方も早いので、目で追うのはなかなか大変です。
Commented by ダンダラ at 2015-05-21 07:40 x
さっちゃん♪さん、ありがとうございます。
撮影できるかどうか、ポイントについても空を見上げる時間が長かったです。
それ自体はギフの撮影でもよくあることですけど、何しろ場所が場所だから、だめならまた翌年に高いお金と時間を使ってチャレンジしなくちゃいけないから、出会えた時の喜びは大きいですね。
翌日の撮影では、さっちゃん♪さんの情報のおかげで何とかこなすことができました。
Commented by ダンダラ at 2015-05-21 07:44 x
maximiechanさん、この蝶の模様はチャマよりは一段と愛らしい感じでした。
見つけてくれた子供は、小学校の低学年だと思いますが、山頂まで登ったとお母さんが嬉しそうに自慢していました。
ここまで降りてきて初めて日が射したと言っていましたから、ほんとにジャストタイミングでした。
Commented by mikiosu at 2015-05-21 22:22
こんにちは、みき♂です。
ヒメチャマダラセセリ、撮影おめでとうございます。
素晴らしいチャレンジですね。厳しい予報の中、お目当ての蝶が撮れて良かったですね♪ 
出会えたときの喜び、お察し致します。
Commented by ダンダラ at 2015-05-22 06:19 x
みき♂さん、ありがとうございます。
北海道への旅行は、安く上げようと思うとかなり前から飛行機を押さえておかなければならないので、この山のように天気の難しい場所はギャンブルですね。
今回は、出かけるずっと前から傘マークだったので、撮影はあきらめていたんですが、直前に雲の合間にお日様マークが出るようになってじわっと期待が持ち上がって、それが飛行機の機長のアナウンスでまた急降下。
と言った具合の、どうなるかわからない、とにかく現場に立ってみなければということで行ってきました。
撮れてよかったです。
Commented by himeoo27 at 2015-05-22 20:31
「天は助けるものを助ける」
という感じでチャンスをものにされ
撮影したヒメチャマダラセセリの写
真素晴しいですね!
Commented by parnassus at 2015-06-03 12:38
ヒメチャマダラ、撮影おめでとうございました。
天候にかかわらず、さすが引きが強いですね。
私もいつかは会いたいと願う高嶺のチョウです。
Commented by ダンダラ at 2015-06-03 21:48 x
ヒメオオさん、お返事をうっかりしていて申し訳ありません。
この時は、とにかく一日しか時間はなかったので、自分の運を信じて山に登りました。
たった一頭でしたけど、撮影できてよかったです。
Commented by ダンダラ at 2015-06-03 21:51 x
parnassusさん、ありがとうございます。
北海道にまで遠征して、空しく帰る可能性もかなりありましたけど、何とか粘って(粘ってどうなるものでもないですけど)撮影することができました。
本当はもう少し日程にゆとりを持てばいいんですけど、孫の世話をしている関係で仕方なかったです。
保全の取り組みがかなりなされていて、状況は数年前よりもよくなっているようですので、チャンスはあるのではないでしょうか。


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