2014年 09月 25日

ツマグロヒョウモンの産卵

9月23日は小遠征をするつもりでいたのだけれど、22日に仏具屋さんから電話で、位牌や本尊の仏像を送ったということだった。

1年半くらい前にマンション用に購入した仏壇には、100年を過ぎた先祖の位牌などが入っていて、本尊を置くスペースがなかった。

お寺に相談したら、やはり本尊はあった方がいいでしょうということだったので、古い位牌はお寺にお焚き上げを頼み、仏像を置くことにした。

そのまま出かけて、後で再配達してもらおうかと思ったけど、何となく気が引けて、家内に留守番をしてもらいながら、自分は車で15分位の、前日ヒガンバナに来る蝶を撮影した場所に再度出かけて早めに帰ることにした。

この日は時間的なこともあるので、ヒガンバナに来るアゲハよりもツマグロヒョウモンの産卵行動を中心に狙うことにした。

前日にはヒガンバナに来る蝶にばかり気をとられ、たくさんいたツマグロヒョウモンの配偶行動や産卵行動にカメラを向けることはしなかった。
16日に撮影していたということもあるし、普通種と言うことで少し馬鹿にしていたのかもしれない。

でも写真を見直すと、納得いくレベルのものではなかったので、今でしか撮れないのはヒガンバナに来るアゲハと同じだと自分に言い聞かせて出かけた。

幸いたくさんのツマグロヒョウモンがいて、16日同様求愛行動をしている。

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ホバリングするのはこの前と同じだった。
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スミレの群落のある場所で、1頭の雌が盛んに産卵行動をしている。

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まずは望遠マクロで、蝶の体や尾端がきちんと見えるように撮影した。
できればスミレも入れたいということになると、これが結構難しい。
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その後は魚露目で、思いっきり近づいて撮影。
多くの場合は尾端を草の間に入れてしまうので、尾端まで写っている写真はなかなか撮れない。

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それでも何とか数枚の写真は撮ることができた。
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正面からも撮れた。体の横にスミレの蒴果も写っているのでよかった。
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こちらは、草の間から覗く感じがでて、この日の狙いに近い写真になった。
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TG-2は逆光に弱いのが残念だけど…

産卵を終えると、少し翅を開いてから飛び立つようだ。
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撮影しながら、今回は卵もちゃんと撮影しようと思っていたのだけど、枯草の間に産むのでなかなか卵を確認できない。
やっと卵を確認できても、TG-2から魚露目を外し、スーパーマクロに設定するために卵から目を離すと、卵がどこにあったのかわからなくなってしまい、この日は卵を撮影することができなかった。

仕方なくこの日は帰ったけど、悔しいので翌日再度出かける。
ただ、所用があるので、産卵しそうな時間に出かけても、撮影時間は30分位。
この間にメスを見つけて、卵を撮影できるか…

現場についてカメラバッグの中を見ると、なんとTG-2がない。
掃除して、そのまま机の上に置き忘れてしまったようだ。
そのために出かけてきたのに、撮影用のカメラがないなんて…
こんな失敗は初めてだ。

カメラをとりに戻る時間はないので、D800につけたシグマのマクロレンズで撮影することにする。
等倍まで撮影できるので、あとはD800の解像度を信じて、思いっきりトリミングするしかない。
1V2に150mmを付けて、405mm相当のマクロにしてもよかったのかもしれないけど、解像度が甘いので、D800で撮影後トリミングする方を選んだ。

この日は曇天で、前日とは打って変わって蝶の姿が少ない。
少々焦る。

それでも家内が産卵している雌を見つけてくれたので、これに集中することにした。
産卵を始めてもカメラを向けず、じっと蝶から目を離さずに産卵した場所を確認。


幸運なことに、一発で卵が確認できた。
しかも枯草の中ではないので、目を離してもわかりやすい。

最初は手持ちで撮影するけど、草の間で暗いし、さすがに等倍と言うことになるとどうしても手振れしてしまう。
小さな三脚が欲しいけど無いので、望遠レンズ付きの1V2を逆さにして、レンズフードの先を地面につけ、カメラボディにD800を載せて三脚代わりにして撮影。

これはノートリの撮影画像。
等倍と言っても小さな卵だから、こんな程度にしか映らない。

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こちらは、ほぼピクセル等倍にトリミングした卵の画像。
先端の黒いのは鱗粉か何かが付いているようだ。

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モニターで確認して、何とか納得できるレベルの写真が撮れたのは帰る予定の時間の3分前だった。
つぎにはちゃんとTG-2のスーパーマクロで撮影しよう。



by dandara2 | 2014-09-25 15:40 | 産卵 | Comments(4)
Commented by Sippo5655 at 2014-09-25 21:07
制限のある条件下では、特にその選択が大切になってきますよね。
ツマグロヒョウモンは今産卵真っ盛りですものね。
3分前の卵・・・美しいです!
ぼーぼーと茂る雑草の中で どれがスミレなのか
私も勉強しなければ。。。
Commented by konty33 at 2014-09-25 22:16
そちらではツマグロヒョウモンが多いのですね。
こちらではあまり個体数が多い場所を知らないので
産卵シーンや求愛シーンなどはあまり見ることがありません。
卵の写真もトリミングでここまで撮れるとは流石フルサイズですね。
Commented by ダンダラ at 2014-09-26 10:00 x
Sippoさん、おっしゃる様に時間とか機材とか制限のある場合には、どこで何をどのように撮るのかと言う選択は大切になりますね。
逆にそれがはっきりしていれば意外とそれなりの成果はあるのかと思います。
自分の場合は、たいていは特に目的もなくぶらぶらと歩いていて、出会ったものを撮るというスタイルなので、今回のように目的を絞っての撮影はあまりなかったです。
一応生態写真を意識しているので、産卵を撮影する場合は、母蝶はどんな環境で産卵するのかは、言葉ではなく、写真で分かるようにしたいなとは思っています。
今回の場合は、スミレの近くと言うことがわかるようにしたかったですが、たまたま大きなスミレの株だったので助かりました。
これが芽生えだとまた難しさが違ってきますね。
Commented by ダンダラ at 2014-09-26 10:06 x
kontyさん、ツマグロヒョウモンはこちらではそこそこ見られますが、産卵シーンや求愛シーンを確実に観察、撮影できる場所となると限られてきます。
この場所はその数少ない場所で、今の時期、天気さえよければ確実に狙える場所です。
それで、そんな場所があるのに漫然と他の蝶を撮っていていいのかと言う反省で今回の撮影になりました。
ところが肝心の時に、カメラを忘れるというポカをやってしまいました。
D800と言う最高画質のフルサイズがあったので救われましたが、こういうポカは二度としないようにしたいと思います。


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