2010年 02月 11日

ヨーロッパ撮影記(8:ツェルマット~リヨン、どたばた移動)

ようやく勤め先の学校の入試が昨日で終わって、今日は自宅でのんびり休養。
雨は降ってはいないけど曇天。気温も上がらない。
それでも空気はしっとりとして、真冬のようなぴりぴりした感じはない。春が近づいているなと言う感じがする。
ヨーロッパの撮影記もそろそろ終わりにしないとシーズンが始まってしまいますね。

8月1日はいよいよフランスへ移動。
朝食時にお世話をいただいたホテルの人と記念写真を撮る。
ドイツ語を話していて、英語は全く分からないみたいなので(私も英語は片言だけど・・)、ほとんどがジェスチャーでの意思疎通だったけど、10日も宿泊していたし、孫も来たりしたので、孫がかわいいとか、もう帰っちゃったのかとか聞いて来たりして、それなりに親しくなっていた。それで最後に記念写真。お盆を持ったままだったとずいぶん気にしていた。
ヨーロッパ撮影記(8:ツェルマット~リヨン、どたばた移動)_f0031682_13202089.jpg

今日のルートは、ツェルマットからVISPに出て、そこで乗り換えてジュネーブに行って、さらにまた乗り換えて国境を越えてフランスのリヨンに行く予定。
列車の時間とかは出かける前にJTBが全部一覧表にして渡してくれてある。
VISPで列車を降りて、ホームで列車の交換作業をしていた人にジュネーブ行きの列車が何処から出るかと聞く。(日本と違って発車ホームはそのつど違うから、必ず確認するように言われている)
教えてくれたホームに行って確かめると、確かにジュネーブに行くのだけれど発車時間が渡された一覧表とは違う。
その列車でもいいかと思ったけど、それだと乗り換えの列車とかが予定と違ってくるので困るなと思って案内板を見ると、一覧表と同じ時間に発車する列車があったのでそれに乗り込んだ。
やれやれと思ってくつろいで車窓の景色を見ているが、いつまで行っても山の中。
ジュネーブって有名な割に田舎にあるんだなと思っていたら、1時間くらい経って検札に来た女性の車掌が何処まで行くのかと聞いてきた。(切符はヨーロッパ周遊の切符なので行き先は書いていない)
ジュネーブ経由でリヨンまで行くと答えると、「オー、この列車は反対方向に行くわよ」とのお返事。
エー、この一覧表にはこの列車と書いてあると言っても当然無駄なこと。
その場でいろいろ調べてくれて、4つ目の駅で反対方向の列車に乗り換えろと言う。
まったくJTBは何をやっているんだと思いながら3つ目の駅に着いたら、近くの乗客が「乗り換えの駅に着いたよ」と言う。
えー、まだ3つめジャンと思いながら大慌てで荷物を取りにいって(大きな旅行かばんはそれようの棚においてある)、片手で持って棚から下ろして駆け出そうと思ったら、棚から降りる荷物の重さで体がふられて大きくよろけてしまった。
車内の乗客が「オー」とか「キャー」とか騒いでいる。かろうじて踏ん張って列車を降りたら、先ほどの車掌さんが来てあっちの列車だと指差す。
みると、ホームではなくて線路の途中に止まっている。我々のためにわざわざ臨時停車してくれたみたいだ。
重いかばんを持ってそっちに歩いていくと、今まで乗っていた列車からは「ガンバレー」とか「ブラボー」とか言ってみんな拍手している。
イヤー恥ずかしかった。でもスイスの列車って親切だなーと感激。
それに比べてJTBの仕事は何なんだ。
国内ならともかく、右も左も分からない外国で反対方向の列車に乗せるなー、チェックが甘ーい。 <`~´>
もうぐったり
JTBに連絡して苦情を行って、その日泊る予定のホテルに遅くなる旨の連絡をしてもらう。
遅くなって宿がキャンセルでもされていたらかなわない。
予定では7時間のはずが結局12時間かかってリヨンに着いた。
少しはリヨンの市内見物でもしようかと思っていたけど、夜になっちゃたし、元気もないので途中で買った簡単な夕食を食べてもう寝るだけ。
狭い部屋だけど、一泊だけだからいいか。(写真では外が明るく見えるけど、もう20時近い。この時期は日没が遅いです)
ヨーロッパ撮影記(8:ツェルマット~リヨン、どたばた移動)_f0031682_1323386.jpg

翌日は早朝ニースに向かって発つ。朝食は宿で作ってもらったお弁当を駅のベンチで食べる。
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昨日のことがあるのでちょっと不安な旅立ちだったけど、フランス自慢のTGVに乗ったりして、無事ニース到着。
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午後からフランス在住で「南仏昆虫記」のファーブルさんに会って今後のスケジュールの調整をする。(久しぶりに日本語でやりとりが出来てうれしい)
ファーブルさんは私と同じ協会(日本自然科学写真協会:SSP)の会員で、ファーブル昆虫記の完訳本に写真などを提供したり、海野さんが取材に来た時には同行されたりしている方だ。
奥さんはアメリカ人とのハーフとのことで、子供さんもとってもかわいらしかった。
ヨーロッパ撮影記(8:ツェルマット~リヨン、どたばた移動)_f0031682_1325579.jpg

その場で宿の近くを案内していただく。
公園の芝生にいかにも外国の蝶と言った感じのシジミがいたので撮影すると、「その蝶はゼラニウムを食べる蝶で、アフリカから来た帰化蝶だ」と教えてもらった。
フランスでは、帰化蝶についても調べたり写真を撮りたいと思っていたので、しょっぱなからラッキーと思う。
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Cacyreus marshalli

もう一種、ヒメシジミに似た aricia agestis がいた。
ヒメシジミに似た蝶が公園の芝生にいるのは何か違和感があるけど、こんなものかな。
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Aricia agestis

その後、写真の正面にある丘に登って蝶を探す。
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頂上近くの広場に行くと、ファーブルさんが石垣に向かってカメラを向けている。
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聞くと、ハチが巣を作っていて、そのハチはかねてから観察したいと思っていたハチだとのこと。
じゃこれで継続的に観察ができるからよかったねと言うと、たぶんもう少し巣が大きくなると駆除されてしまうだろうということだった。
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公園の上では、ヨーロッパタイマイがテリ張りをしている。
感じとしてはキアゲハに似ているけど、色合いはもう少し明るくて軽快な感じだ。
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数頭がテリ張りをしていたけど、他の蝶が近くにくると活発に追いかけっこをしていた。
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by dandara2 | 2010-02-11 13:33 | 海外 | Comments(12)
Commented by maximiechan at 2010-02-11 17:05
見慣れぬシジミチョウ・・・アフリカからの帰化とはびっくり。でも地中海を挟んですぐアフリカなんですね。
ファーブルさんがハチを撮っている絵はまさにアフリカが近いことを感じさせる写真です。
それにしても大変な苦労をされてのスイスからの移動でしたね。
Commented by thecla at 2010-02-11 18:01 x
スイスと南仏は、街の雰囲気からせいて全然違いますね。
アフリカからの帰化蝶にヨーロッパタイマイの追尾飛翔、いいですね~、一回行ってみたいものです。これから南仏の安ワインでも飲んで、気持ちだけでも南仏へ飛ばしましょうか。
列車は、逆方向とはさぞ焦ったことでしょう。でも周囲の人たちの助けもあって終わってみると想い出深いエピソードなのではないでしょうか。
Commented by himeoo27 at 2010-02-11 18:57
ウン十年前オーストリアからイタリアに抜ける列車に乗った時
かなり遅れて大変だったことを思い出しました。

それにしても、最後の南欧の風景を背景にしたヨーロッパタイマイ
の追尾飛翔の写真綺麗ですね!
Commented by clossiana at 2010-02-11 21:13
最後のヨーロッパタイマイの写真は凄いです。背景に街並みが見えていて、それが異国風ですので雰囲気がとてもよく伝わってきます。こんな場面は私なら焦りまくって絶対にボケしか撮れないと思いました。
Commented by ダンダラ at 2010-02-11 22:59 x
maximiechanさん、このシジミは南仏ではあちこちで見かけました。
家でゼラニウムを飾っていることが多いからだと思います。
いかにもアフリカ的な感じのするシジミです。
スイスからの移動はほんとに大変でした。
飛行機での移動にすれば良かったと反省です。
Commented by ダンダラ at 2010-02-11 23:05 x
theclaさん、街の雰囲気はまったく違います。
ニースは有名な避暑地で、街の雰囲気もあか抜けていて、滞在している人も金持ちが多いって感じです。
山の格好の我々は肩身が狭かったです。
列車の件はたしかに今となれば良い想い出ですが、出来ればこういう想い出はない方が良いです。
Commented by ダンダラ at 2010-02-11 23:10 x
himeooさん、見知らぬ土地でのトラブルは神経使いますね。
せめて英語位はしっかり学習しておけば良かったと思いますが、今となっては度胸で乗り切るしかないです。
ヨーロッパタイマイの写真はこのブログ用に写真を見直していて気がつきました。
なにしろチョウが小さかったので、いるとは気づかず完全な没写真扱いでした。
Commented by ダンダラ at 2010-02-11 23:13 x
clossianaさん、ありがとうございます。
この写真に気がついて、縦長にトリミングすると結構いけそうだなと思いましたが、撮影している時はチョウを追いかけるのに必死で何も考えていませんでした。
こういったものが狙って撮れるようになると良いんですが。
Commented by fanseab at 2010-02-13 17:14
海外遠征ではどこか1回、必ずトラブルがありますね。欧州の電車は行先が異なる国の車両が複数連結されているので、乗継ぎ時間に余裕がないと苦労します。皆さんコメントされている通り、最後のマクロ飛翔画像は開放感が素晴らしいです。
Commented by ダンダラ at 2010-02-14 00:04 x
fanseabさん、おっしゃる通りですね。
ツアーだと楽なんですが、それだと自由がないし。
最後の写真は今までだとチョウが小さすぎると言うことで没写真でしたが、このところ少し見方が変わってきました。
でも理想とする写真からはまだほど遠いですが、今年は頑張ろうと思っています。
Commented by さっちゃん♪ at 2014-11-26 05:59 x
アテネからイスタンブールに乗り換えの待ち時間に投函です^^;
今回エーゲ海の島でアフリカからの帰化蝶をみることが出来ました。
蝶の名前を調べていたらダンダラさんのブログに載っていて助かりました。
アテネの出発が1時間遅れた為にイスタンブールでは成田行きに乗り遅れ変更手続きに悪戦苦闘(≧∇≦)珍道中でしたが蝶が撮影出来て嬉しかったです。
翌日の仕事に間に合うかハラハラドキドキです。
Commented by ダンダラ at 2014-11-26 14:41 x
さっちゃん♪さん、地中海のほうにいらしていたのですか。
あのシジミは、ひそかにゼラニウムシジミと呼んでいました。
あちらは乾期も終わって過ごしやすい気候になっていたのでしょうか。
帰国後のお話が楽しみです。


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