2009年 12月 07日
12月6日の日曜日は前日の雨が上がり、朝は濃い霧が出ていたけど風もなく良い天気になった。 11月30日に家内がムラサキシジミのサザンカでの吸蜜を撮影した時には、11時過ぎの無風晴天で気温の高い時だった。 今日の様子に似ているので、これは吸蜜が撮れるかなと思って出かけるが、着いてみると何もいない。 しばらくうろうろするが上着を脱ぐくらいに気温が上がって、ちらちらと現れるムラサキシジミは木の高い位置に止まるか、地面に降りたりして吸蜜の気配はない。この♀は一見すると♂のような翅表だけど、紫色の出方からやっぱり♀かな。 撮影しやすい高さまで降りてくるには4日のような風の強い日のほうが良いようだ。ただ4日は吸蜜はしなかった。 ふと林の中を見ると、いつもは姿の見えない薄暗いアオキの群落の上を1頭のムラサキシジミが飛んでいる。 斑入りの葉の上にとまったところを見ると、後翅の欠け方から先日飛翔を撮影した個体のようだ。 今日の林の中は昨日の雨で湿気もあり、気温もちょうど良く活動しやすい感じだ。 この個体はこの後地面近くのアオキの葉と枯れ葉の込み入ったところにもぐりこんで落ち着いた。 時々、北向きの葉や林の中で越冬中の個体が見つかるけど、こんな感じで気温の高い日に移動して落ち着くのだろうか。 今まで観察した例は人間の目で見て探しやすい場所に限定されているけど、実際にムラサキシジミが越冬している場所は案外違っているのかも知れない。 吸蜜を探してサザンカの咲いているあたりをうろうろしていると、ぱっと飛び立ってマテバシイのほうに飛んでいった個体がいた。 どうもムラサキツバメのようだ。マテバシイを見てみるが何処に止まったかはわからない。 それでも、ここで粘れば吸蜜が撮影できるかもしれないと思い、ムラサキシジミを探したりしながら時々様子を見に来たりしていたら(こうした時の時間は結構長く感じる)ようやくサザンカに吸蜜に来てくれた。 ただ高くてデジイチでは撮影できない。ライブビューモードにしてみるが、直射日光の当たるところでは液晶が良く見えない。 コンデジで撮影してみるが、ISOが800に設定してあったので、露出オーバーで蝶が白く飛んでしまった。 モニターで確認して、設定を変更して撮影しようとしたらカメラの動きに驚いたのか飛ばれてしまった。。 RAWで撮影できていればそれでも救いようがあるけど、jpegなのでどうしようもない。 あきらめ切れずにモニターを何度も覗くが撮影結果が変わるものでもない。 いつもだとここであきらめることが多いけど、もしかするとまた戻ってくるかも知れない。 目的としていた吸蜜が撮れるかも知れないチャンスなのでさらに粘ることにする。 さらに近くをうろうろすること十数分、ムラサキシジミのほうはさっぱりチャンスがないが、ようやくムラサキツバメが再度吸蜜に降りてきているのを発見。 今度は高さも胸の位置なので撮影にも絶好だ。 ただ、顔を雄しべの間に突っ込んで吸蜜するのと、体の半分に日が当たったりしてものすごく難しい条件。 じっと我慢して撮影していると、雄しべの周囲にある蜜は吸い尽くしたのか、体を移動して顔が見えるようになり、しかも体全体が影の部分に入ったのでここぞとばかり撮影する。 ある程度の手ごたえがあったが、なにしろ顔の部分が陰になって暗いので、ピントがきちんと合っているのかどうかがよく分からない。 そのうち吸蜜を終えて、花に止まって日光浴を始めた。 体半分が日陰になっているけど、これはたぶんレタッチしても修正不可能。サザンカ上での開翅と言うことで良しとする。 この体勢は長くは続かず飛び去った。 それから20分くらいはムラサキシジミやムラサキツバメが下に降りてくるようになったのでぽつぽつと撮影して、そろそろ帰ろうかと思い、念のために再度サザンカを見ると、今度は同じ花で体全体が明るい場所に出て吸蜜している。 これは絶好のチャンスと再度撮影。 帰る途中でムラサキシジミの越冬を確認する。 4日に5頭いた集団はそのままだった。 越冬態勢に入ったムラサキシジミは軽々しくは飛び出したりしないようだ。 さらに、2頭で越冬中の集団を見に行くと、こちらは4頭に増えていた。 他の場所は良く探さなかったけど、これらの例を見るとムラサキシジミにも集合性があるように思えてしまう。 越冬場所を決めるシステムは何なのだろうか。
by dandara2
| 2009-12-07 22:55
| 越冬
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Comments(16)
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kenken
at 2009-12-07 23:11
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うん、これは、ムラツのサザンカでの吸蜜シーン、うまく撮れたもんですねぇ!
翅裏が暗めでピンが合いにくく、花に潜られるとお尻しか撮れないという2点を、じっくり待って克服されましたね。 ムラサキ、なるほど、右後翅の欠け具合から先日の個体であることが分かります。 連続しての観察は面白いです。
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ダンダラ
at 2009-12-07 23:47
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kenkenさん、ムラサキシジミにしろムラサキツバメにしろ、サザンカでの吸蜜シーンを撮影するチャンスはそうそうないと思っていたので、このチャンスを必ずものにしようと私にしては珍しく粘りました。
撮影条件はおっしゃるように難しくて、大半は頭が雄しべの中に隠れてしまっていましたけど、粘った甲斐があってイメージしたような写真が撮れました。 またしばらくはムラサキシジミの越冬観察になりそうです。
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cactuss at 2009-12-08 00:05
サザンカ吸蜜シーンは見事ですね。
吸蜜する時は翅は閉じているんですね。花の上で日光浴する時に翅を開くんですね。 赤と青のコントラストがきれいなので、前から撮りたいと思っていますが、なかなかうまくいきません。
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ダンダラ
at 2009-12-08 12:29
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cactussさん、ムラサキシジミやムラサキツバメの訪花って意外と観察しにくいですよね。
特にサザンカでの吸蜜はムラサキシジミのいる雑木林が近くにないといけないし、花の寿命も短いので結構難しいです。 吸蜜個体がいれば、吸蜜後は花の上か近くで開翅するケースが多いようです。
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ダンダラ
at 2009-12-08 12:51
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mtana2さん、このときは珍しく粘りました。
公園なので人が結構通るし、管理人のいる小屋も近くにあるので、あまり長時間粘るのは不審者に思われそうでいやなのですが、この機会を逃したら撮れないかもしれないと、結構真剣でした。 越冬集団は今年は手持ちの数が少ないのですが、昨年は長期にわたって安定していた場所なので今後の経過が楽しみです。
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6422j-nozomu2 at 2009-12-08 23:53
ムラツの吸蜜は絵になりますね。比較的珍しいシーンではないでしょうか。↓のパスト連写もなかなかです。さほど画像の乱れもなく、充分使用出来ますね。滅多に開かない蝶には戦力になると思いますので、来春以降楽しみです。一発目はコツバメあたりでしょうか。(笑)
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fanseab at 2009-12-09 07:17
サザンカ吸蜜は粘り勝ちですね。ツツジに黒系アゲハの組合せと同じ位、露出難易度の高い状況と思われます。この間千葉でムラツを観察した時は、近くにサザンカが咲いているにもかかわらず、葉上のキジラミ排泄物の吸汁に熱心でサザンカ吸蜜シーンはゲットできませんでした
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ダンダラ
at 2009-12-09 07:39
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ノゾピーさん、ムラツの吸蜜シーンは珍しいと思います。
たいていはアブラムシやキジラミの排泄物で吸汁していますので、それらが少ない場合の苦肉の策かも知れないです。 パスト連写はそこそこ使える段階になってきたように思います。この機種の値段も随分下がっていますので、普通の広角写真に飽き足らない人(私の場合はセンスがない)には良いかも知れないです。
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ダンダラ
at 2009-12-09 07:45
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fanseabさん、ほんとにこの時は粘り勝ちでした。
狙った通りの写真が撮れるとヤッターという感じでうれしいものですね。 おっしゃるように、ムラツは基本的にキジラミなどの排泄物を中心として生活しているように思います。 こちらで観察する時もそうですが、今年はこのポイント付近ではかなり剪定が行われて、そう言った吸汁源がなくなったのも原因かも知れません。
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ダンダラ
at 2009-12-11 22:50
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虫林さん、ルーミスを含めた紫3兄弟は冬の間の良い被写体です。
色々な工夫をして冬を乗り切ろうとしているし、こちらの技術が上がると観察の機会も増えるし、なかなか楽しいですね。 ムラツの吸蜜は必ず撮影しようと粘った甲斐がありました。
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banyan10 at 2009-12-12 16:06
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thecla
at 2009-12-12 22:19
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出遅れてしまいましたが、ムラツのサザンカ吸蜜は皆さんおっしゃるように粘り勝ちですね。
ムラサキシジミは、条件の良い場所に2~3頭集まっていることがあるという印象だったのですが、もう少し色々なところを春まで調べてみる必要がありそうですね。
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ダンダラ
at 2009-12-13 23:18
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banyanさん、残念でしたね。
昨日は条件的には悪くなかったと思うのですが、先日もムラサキシジミは吸蜜には来なかったので、なかなか気むずかしいのかも知れないですね。 この前はツマグロヒョウモンはいませんでしたので、ちょっと驚いています。
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ダンダラ
at 2009-12-13 23:21
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theclaさん、ムラツは運が良かったのと、粘ったのと両方のおかげでしょうか。
ムラサキシジミはおっしゃるように2.3頭(3頭はかなり多い)、あるいは単独の越冬が多いように思いますが、今回は適当な葉がないのか、かたまって越冬中です。 しばらく様子を見ることにします。 |
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